森の図書室

森について、木について、
知ってほしいことが、たくさんあります。

森と歴史

ほんとは、木は腐り(くさり)にくい

「木の家は腐りやすい」というイメージがありますが、実は木そのものはとても腐りにくい素材です。木が腐るのは腐朽菌(ふきゅうきん)というキノコのしわざで、この菌は「適度な温度・適度な水分・酸素・栄養」のどれか1つが欠けても繁殖(はんしょく)できません。たとえば、登呂遺跡(とろいせき)から弥生時代(やよいじだい)の大昔の木のクワやスキが腐らずに発掘されたのも、酸素をさえぎる湿地(しっち)に埋まっていたからとか。とはいえ、私たちは酸素がなくては生きていけませんし、冷蔵庫みたいに寒い家も困ります。そこで、いちばんかんたんなのが、水分の管理。水分が一定以下であれば、木は腐らず100年、1000年という単位で長持ちするのです。今は防湿工事や床下換気など、家を湿気から守る方法が開発され、木の家の耐久性はさらにアップしています。子どもに受け継ぐだけでなく、孫やもっと先の代まで住める木の家が、どんどん生まれているのです。

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