きこりんと行く
世界の森“木”行

世界の森を案内するよ。
おどろくような森がいっぱいあるよ。

樹齢4600年!地球上で最長寿と言われる
「ブリッスルコーン・パイン」

 

魔女が出てきそうな風景だね。
ここは、アメリカ・カリフォルニア州のホワイト山脈、
標高約3000mにあるブリッスルコーン・パイン(マツの一種)の木立。
ここに推定樹齢4600年を超える木があり、17本が樹齢4000年を超えて生きているんだ。
この木立は1950年代半ばにアメリカの研究者エドモンド・シュルマンによって発見されたんだよ。
それまでは世界最大の木であるジャイアント・セコイアが
樹齢2000年〜3000年の最長寿の木と考えられていたけれど、
さらに1000年以上も長寿の木が見つかって専門家たちはびっくり。
当時は木の大きさと樹齢は比例していると考えられていたから、その通説もひっくり返ったんだ。
ここまで長生きできるのは、恵まれた環境で育ってきたから、と思うよね。
いやいや、じつは過酷な環境が長寿に一役かっているんだ。
冬は雪と氷粒がまじった強風、春と夏は照りつける太陽の下でわずかな雪解け水で命をつなぐ。
成長できるのは1年のうちわずか数週間しかないため、ブリッスルコーン・パインは体内時計を
生きられるぎりぎりのところまで遅くしてゆっくりと成長しているんだ。
高い標高に生えているため、標高の低い土地ではびこる細菌や病気の発生が抑えられるのも
長寿の理由とされているよ。
ちなみに4600年前の日本は縄文時代、世界はエジプトの大ピラミッドの建造で有名なクフ王の時代。
人類、いや、地球の宝物とも言える木を人の手から守るために、
どの木が最長寿と言われる樹齢4600年の木なのかは公表されていないよ。

参考書籍:トマス・パケナム『地球のすばらしい樹木たち──巨樹・奇樹・神木』飯泉恵美子訳、早川書房

世界最大の樹木「ジャイアント・セコイア」も紹介しているよ。
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