森の樹木図鑑

樹木についての知識がたっぷり。
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バーチ

カバノキ科

北半球には同属の木が多数分布し、欧米でも重要な市場材になっています。このバーチ類を取り扱うときに、木材業界では伝統的にサクラ(ときにはカバザクラとも)と呼ぶことが多いのですが、もちろん本物のサクラ類ではないから注意しなければなりません。バーチは木材として一定した人気が続いています。バーチ類にはこの他、ミズメ、ダケカンバ、シラカンバなどがあります。またカナダのケベック州ではバーチがシンボルとなっています。バーチはそのしなやかさからピアノの弦を打つ「ハンマー」のシャフトにも使用され、快い音色を奏でます。


【材質】


心材と辺材の境界は明らかで、前者は淡紅褐色で後者は黄白色。早材と晩材の差が少ないため、年輪はとくに明らかではない。気乾比重は0.50〜0.78。肌目は精である。この木材が均質であり、重硬で、耐摩擦性があり、平らな面をいつまでも保持できるという要件を満たすので、体育館の床などに幅広く用いられる。マカンバの保存性・加工性は中庸である。よい仕上げ面が得られる。材面を見ると、色の変化が少なく、また木目の乱れもない。比較的材面の変化が多い広葉樹の市場材のなかでは、均一的な材面をもち特徴的である。このような特徴から、接着力を測定する際の標準材として使用される。

【生育地】


マカンバは北海道から本州北中部、また南千島に分布。また、その他バーチ類は北米大陸および北ヨーロッパから北アジアにかけて広く分布。

【住まいでの用途】


家具、とくに洋家具、あるいは建築の内装材としては高級材料である。器具フローリング材、合板、化粧単板。特に日本でバーチが住宅のフローリング材に使用されたことが、散孔材ブームの火付け役となった。

【その他の用途】


靴の木型、体育館の床、楽器など。

関連する木:
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