きこりんと行く
世界の森“木”行

世界の森を案内するよ。
おどろくような森がいっぱいあるよ。

ひと目千本、桜の大パノラマ
世界遺産「吉野山」

 

きれいだな〜っていうレベルではなく、心ふるえるほどの桜の眺めが体験できる場所が、
奈良県の吉野山。春には3万本とも言われるシロヤマザクラが咲き乱れるんだ。
その圧巻の風景は"ひと目千本" と表現されているほど。
なぜ吉野山にこれほど多くの桜が育っているのか?
そのはじまりは、今から約1300年前。
当時、吉野山は修行によって神に近い存在になった人が住む理想郷とされていたんだ。
そんな吉野山に日本固有の宗教・修験道の御神木とされた桜が植え続けられ、
桜の山になっていったんだ。
桜の絶景に惹かれた文人墨客(詩や文章を書く人、書家や画家)もいて、
多くの歌が残されているので紹介するね。
「吉野山 こずゑの花を見し日より 心は身にもそはずなりにき〜西行法師」
「露とくとく試みに浮世すすがばや 〜 松尾芭蕉」
さらに、豊臣秀吉が、徳川家康、宇喜多秀家、前田利家、伊達政宗らの武将をはじめとした、
総勢5千人で花見を行ったことでも知られているよ。
ところが、秀吉が吉野山に入ってから3 日間雨。
イラだった秀吉は「雨が止まなければ吉野山に火をかけて即刻下山する」と言ったんだって。
慌てた吉野山の僧たちが晴天祈願をして、なんと4日目は晴れ上がったんだとか。
もし4日目も雨だったら、ボクたちは桜の大パノラマを楽しむことができなかったかもね。