きこりんと行く
世界の森“木”行

世界の森を案内するよ。
おどろくような森がいっぱいあるよ。

なぜこの名前?
マダガスカル「旅人の木」

 

名前も、見た目も、忘れることができないこの木は、

マダガスカルの固有種「旅人の木(タビビトノキ)」属名はラベナラ。

マダガスカルがどこにあるか知っているかな?

アフリカの東海岸から約400kmのインド洋にあるよ。

日本の約1.6倍の面積を持つ世界で4番目に大きい島で、

動植物の80%以上がマダガスカルだけに生息する独自の生態系を持っているんだ。

この「旅人の木」がどうしてその名前になったのか、2つの説があるんだ。

1つ目は、大きく広げた葉の向きで方角がわかり、

旅人がどっちに進めばいいかを決めていたという説。

でも木によって葉の向きが東西南北バラバラのことがあるんだ...。旅人は迷ってしまうね。

2つ目は、葉の付け根部分に雨水がたまっていて、傷をつけると水がほとばしる。

その水で旅人が喉を潤したという説。

どちらの説も、この木が旅人を助けていたことは共通しているね。

そして「旅人の木」は地元の人々の生活も助けていて、

葉は家の屋根、葉柄(葉を茎や枝につなぐ部分)は壁、幹は柱に使われているんだよ。

参考書籍: 『マダガスカル異端植物紀行』  湯浅浩史 著 日経サイエンス社