きこりんと行く
世界の森“木”行

世界の森を案内するよ。
おどろくような森がいっぱいあるよ。

背が高すぎ!
15階建てビルに匹敵する秋田県「きみまち杉」

 

ここに来ると自分が小さくなったように感じるかも。秋田県能代市にある仁鮒(にぶな)水沢スギ植物群落保護林は、樹高が50m級の天然秋田スギが立ち並んでいるんだ。

その中でも空に向かってそびえ立つ「きみまち杉」は高さ58m! 1996年に秋田営林局が日本一を宣言したんだ。58mは15階建てビルと同じくらい。

この一本の木で53坪の家が一軒建てられるらしい。すごい大きさだね。樹齢は推定200~300年で、名前の由来は紅葉の名所「きみまち阪」からとったんだって。


仁鮒水沢スギ植物群落保護林にはスギの巨木が約2,800本あり、秋田県天然記念物に指定されているよ。

そもそも江戸時代初期の秋田には数えきれないほどの天然秋田スギがあり、秋田藩の財政を潤していたんだ。しかし、乱伐や盗伐で数が激減。そこで立ち上がったのが、のちに「秋田杉の父」と称される賀藤景林(かとうけいりん)。植林・保護計画を立案して生涯で250万本ものスギを植林。その意志は息子に引き継がれ、親子2代にわたる植林で日本三大美林※の一つ、秋田スギの基礎をつくりあげた。

また、秋田藩で家老をしていた渋江正光(しぶえまさみつ)が「国の宝は山なり、山の衰えはすなわち国の衰えなり」という言葉を残しているよ。脱炭素社会に向けて森や木の大切さが見直されている現代にもこの言葉は重みがあるね。


※日本三大美林:木曽ヒノキ、青森ヒバ、秋田スギ


参考サイト:あきた森づくり活動サポートセンター