きこりんと行く
世界の森“木”行
世界の森を案内するよ。
おどろくような森がいっぱいあるよ。
星を爆発させる木!?
マダガスカル「バオバブ・アベニュー」
木が逆立ちして根っこが上に出ているみたいな姿でしょ。この木は、マダガスカル島のバオバブ。
樹齢約300年、幹まわり最大約9m、高さ約30mのバオバブが全長約260mにわたって並んでいるんだ。
このバオバブは、ニンゲンの手で植えられたものではなく、広大なバオバブの森の一部が街路樹のように残って「バオバブ・アベニュー」と呼ばれるようになったんだよ。
森が消えた原因とされているのは、農地開拓のための森林伐採。
すでに90%以上を失ったとされていて、そのうちの40%は1950年から2000年に消滅。
農地開拓は現地の人々の生活に関わることだけど、森林がなくなれば他の野生動物のいのちも脅かされる。事実、バオバブの身を食べるエピオルニスという飛べない鳥が絶滅しているし、キツネザルやススメガも危機に瀕しているんだ。そんな状況をうけて、バオバブは2006年に国際自然保護連合(IUCN)によって絶命の危機に瀕する野生生物のレッドリストに加えられ、マダガスカル政府も保護に動いているよ。
バオバブは、作家サン・テグジュペリの小説「星の王子様」に星を爆発させる恐ろしい木として登場しているんだ。
でも本当は、現地の人々の生活を支え続けている木。果実は、人々の食料。そして、徳利(とっくり)のような形をしている幹は、大木では約10トンもの水分を蓄えていて、現地の人々の労働力になるコブウシの水分とエサになっているんだ。
年輪がないため樹齢を特定することはできないけれど、数千年は生き続けると言われているんだよ。
参考書籍:世界の巨樹・古木 ヴィジュアル版 歴史と伝説 /
ジュリアン・ハイト / 湯浅浩史 / 大間知知子(原書房)