きこりんと行く
世界の森“木”行

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村人が伐れなかった伝説の「将軍杉」

 

これは新潟県阿賀町、平等寺の境内にある「将軍杉」。
推定樹齢約1400年。聖徳太子が法隆寺を創建した時代から生きているんだね。幹のまわりは19.31m、樹高約40m。
平成12~13年度に環境省が行った「全国巨樹・巨木林フォローアップ調査・杉の部」で、それまで日本一だった屋久島の縄文杉(16.1m)を抜いて日本一の杉の巨木になったんだ。
昭和2年に国の天然記念物に指定されているほか、平成2年には「新・日本名木100選」にも選ばれているよ。
「将軍杉」の名前は、人々の心を乱し、村を荒らした鬼女紅葉を討伐した平安時代の将軍・平維茂(たいらのこれもち)にちなんでつけられたもの。その昔、村人たちが「将軍杉」を伐って船を造ろうと計画し、翌朝斧を持って行ってみると一夜にして地面に沈んでいた‥それ以来、村人は「将軍杉」を手厚く保護し続けてきた、という伝説が残されているんだ。
根本近くから6本の幹に別れている姿は、その伝説を信じたくなるほど神秘的。
中央の1本は昭和36年秋の第二室戸台風で折れてしまったけれど、生命力を感じる幹をぐるりとまわればパワーがもらえると言われているんだ。
杉は日本固有の樹木で、日本書紀の中には須佐之命(スサノオノミコト)が"杉と楠は船材に"と語ったという記述があって、古くから造船に使われてきたんだ。
村人が「将軍杉」で船を造ろうとしたのは、杉の性質を知っていたのかもしれないね。

参考サイト:阿賀町観光協会 

森の樹木図鑑
/zukan/スギ(杉)/