きこりんと行く
世界の森“木”行

世界の森を案内するよ。
おどろくような森がいっぱいあるよ。

竜の血を流す樹
カナリア諸島「リュウケツジュ」

 

ここは、アフリカ大陸の北西海岸から110キロ沖に浮かぶスペイン領・カナリア諸島のテネリフェ島。

一度見たら忘れられない姿の木は、リュウケツジュ。

カナリア諸島では、ドラゴンが死ぬとリュウケツジュになる、と言い伝えられているんだ。

樹液は空気に触れると色が赤くなることからリュウケツジュ(竜血樹)と名付けられたんだ。

その樹液を昔は胃の不快感を解消するために牛乳に混ぜて飲んだり、ケガの回復を助けるために傷口に塗ったりしていたんだって。今は染料として使われていて、17世紀から18世紀にかけて制作されたバイオリンの最高峰ストラディヴァリウスもこの樹液で着色されているんだよ。

写真は、千年のリュウケツジュ(エル・ドラゴ・ミレナリオ)と呼ばれている、

カナリア諸島で最大・最古のリュウケツジュ。

実際の樹齢は約600年だけど、幹回り10メートル、高さ20メートル以上の大きさから樹齢1000年以上と思われていたんだ。現在、リュウケツジュの巨木は少ないため、テネリフェ島ではこの木の近くを通る道路をなくしたり、

触れないように柵を張り巡らせたりして大切に保護しているんだ。そんな貴重なリュウケツジュの仲間を家で育てることができるよ。観葉植物のドラセナ・ドラコ。ドラセナは雌竜、ドラコは竜の意味。

生命力が強いから育てやすくて人気があるよ。

参考書籍:世界の巨樹・古木 ヴィジュアル版 歴史と伝説 /ジュリアン・ハイト / 湯浅浩史 / 大間知知子(原書房)