木の実験・観察
研究室
木はどんな性質(せいしつ)をもっているのかな?
かんたんにできる観察から、楽しい実験まで、
きみの興味(きょうみ)に合わせてやってみよう!
ふだん、わたしたちが使っている布(ぬの)には、色やもようがついているね。
これは、植物からつくった「染料(せんりょう)」で染(そ)めているんだ。
きみも実際(じっさい)に草木を使って、白い布を染めてみない?
味わい深い、オリジナルのハンカチやバンダナができるよ。
- 実験は、必ずおうちの人といっしょにしよう。
- 実験前に、この実験方法をしっかり読んで、まちがった手順で行わないようにしよう。
- 実験に使う材料は、おうちの人に用意してもらおう。
- 材料をなめたり、口に入れたりしないこと。
- 染料として使った野菜や果物は食べないこと。
- 皮ふに材料がついたらすぐに水であらおう。また、材料がついた手で目をこすったりしないこと。
- 思わぬケガをするおそれがあるので、輪ゴムを飛ばしたり、たこ糸などを首や手指に巻(ま)きつけないこと。
- お湯、火を使うときや材料をきざむときは、おうちの人にやってもらおう。
- 火をつけるときは、まわりに燃(も)えやすいものがないかを確(たし)かめ、絶対(ぜったい)にそばをはなれないこと。
- 実験のあとは、おうちの人といっしょに手や道具をきれいにあらい、しっかりあとかたづけをしよう。
用意するもの
染めるってどういうこと?
布を「染める」とは単に色をつけるだけではないよ。染料の色素(しきそ)を、繊維(せんい)にしっかり結合させて、あらってもこすってもはがれ落ちないようにすることなんだ。そのとき、色素と繊維の小さなつぶ(分子)は、プラスとマイナスの電気の力で結びついているよ。これを「イオン結合」っていうんだ。
焼きミョウバンを使うわけは?
焼きミョウバンは、アルミニウムの化合物だよ。水にとけると、アルミニウム分子は、電気を帯びたイオンになるんだ。アルミニウムと色素と繊維の分子が結びつくと、水にとけないものに変わり、しっかり定着するんだよ。そしてこのとき、もとの色素とちがう色に発色するんだ。
準備(じゅんび)しよう!
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1
草木染めのもとになる素材を集める。
木の葉や花など自然のものが手に入りにくい場合は、野菜や果物の皮でもよい(ナス、タマネギ、ブドウなどは、色が出やすい)。紅茶(こうちゃ)でもよい。 -
2
白い布が、新品の場合は、一度洗(あら)って、のりを落としておこう。布は、シルクや羊毛など、タンパク質(しつ)を多くふくむ糸でできたものはよく染まるよ(分子のもつプラスとマイナスの電気の力が強いから)。木綿(もめん)、麻(あさ)などの植物性(せい)の布は、豆乳(とうにゅう)にひたして、よくしぼり、かわかしてから使うといいよ。豆乳は、成分無調整のものがおすすめ。
実験しよう!
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1
白い布をいくつかに折り、ところどころを、輪ゴムやたこ糸などを巻(ま)いてきつくしばる。
※上は、ガーゼ(木綿)のハンカチ。 -
加熱は、おうちの人にやってもらおう。
2集めた植物の素材をきざんでなべに入れる。素材がじゅうぶんひたるくらい水を入れて、加熱する。
※上は、ガーゼ(木綿)のハンカチ3まいに対し、タマネギ大玉3この皮。 -
3
にたたせると、植物の素材から色がしみ出してくる。弱火にして10 〜20 分につめる。
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やけどをしないように気をつけよう。
4いったん火を止め、素材をさいばしでつかんでなべから出し、布を入れる。
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5
布を入れたまま15分ほどにる。
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やけどをしないように気をつけよう。
6にている間に、色を定着させる「媒染液(ばいせんえき)」を作る。バットにポットのお湯をコップ3 ばい入れ(約200mL × 3)、焼きミョウバン大さじ3ばいをとかす。およそこの割合(わりあい)で、バットの大きさと、染める布の量に合わせ、お湯と焼きミョウバンの量を調節する。
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7
布をなべから出し、媒染液に入れる。5分くらいひたす。このとき、素材によっては、染めた色が変わることがあるよ。
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8
輪ゴムを取り、水道水でよくすすぎ、かわかしたらでき上がり。
いろんな素材で試してみよう
★染まり方はどうちがうかな?
★植物の見た目の色と、染まった布の色は、どうちがうかな?
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タマネギの皮
(大玉3 この皮で、ガーゼのハンカチ3まいくらい) -
ブドウ(巨峰(きょほう))
(2ふさ分の皮で、ガーゼのハンカチ1 〜2まい)
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ナスの皮
(5この皮で、ガーゼのハンカチ1まいくらい) -
紅茶
(ティーバッグ2つで、ガーゼのハンカチ3まいくらい)
わかったこと
・なべでにているとき、しみ出る色は、素材のもとの色とはちがうことがある。
・媒染液にひたすと、色が変わることがある。