森の樹木図鑑

樹木についての知識がたっぷり。
身近な木や、住まいの地域にぴったりの木を探せます。

アカマツ (赤松)

マツ科

マツはスギと並んで、古くから日本人の身近にある木でした。マツの名は「古事記」以来、書物や歌集にたびたび登場していて、「万葉集」にはマツの歌が80首近くもあり、ハギ、ウメに次いで多くなっています。
一般にマツとはアカマツ・クロマツの両方をいい、この2つは性質がよく似ていますが、強度はアカマツのほうがやや上。その名の通りクロマツの樹皮は黒っぽく、アカマツは紅褐色です。また松竹梅というように、マツは昔からおめでたい木として儀礼や行事に使われてきましたが、住まいづくりに利用するには木材の形がよくないことが多いため、曲げに強い性質を活かしながら表面に出ない梁などの構造材として用いる場合が多いようです。




【材質】


スギと同様、生育の条件によって材質が幅広く変動するため、価格幅も広い。
マツ類の中でも硬松類に含まれる。心材はやや黄色を帯びた淡桃色~赤褐色、辺材は黄白色。肌目は粗で、木目はほぼまっすぐ。年輪は明らか。未乾燥材は青変色するため、伐採後は早く乾燥させる。油分に富み、材面にヤニが染み出てくることが多い。心材の保存性は中庸だが、水中での保存性が高い。


【生育地】


本州北部から四国、九州、屋久島に生育。一般にクロマツが海辺近くで多く見られるのに対し、アカマツは内陸に多いとされるが、東北地方では海浜にも見られる。日本三景のひとつ、松島のマツはほとんどがアカマツである。クロマツを含めると、造林面積ではスギ、ヒノキ、カラマツに次いで日本で4番目に多い。


【住まいでの用途】


梁・敷居、床板など。正角の土台や根太にも多く用いられる。
銘木としては、皮付磨丸太が床柱や落し掛けに使われる。また、樹脂分の多い肥松(コエマツ)は床板として最も高級とされる。

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