森の樹木図鑑

樹木についての知識がたっぷり。
身近な木や、住まいの地域にぴったりの木を探せます。

エゾマツ (蝦夷松)

マツ科

本州ではなじみが薄いエゾマツですが北海道ではトドマツとともに最も一般的な用材として活躍しています。又、北洋材の代表格としてロシアなどから輸入される北洋エゾマツもこれと同種のものです。北海道にはよく似た性質のアカエゾマツがあり、これに対してクロエゾマツと呼んだり、さらにこれらを縮めてアカエゾ/クロエゾと俗称したりもします。
また、エゾマツはパルプ化するのに最上の性質をもつとされており、パルプ材に使われる量がきわめて多い樹種。さらに音響効果が国産材の中では最優秀といわれ、ピアノやオルガンの響板のほか、バイオリン、ビオラといった管弦楽器の甲板材にも用いられています。




【材質】


心材と辺材の色の差はあまりなく、どちらもやや褐色を帯びた淡黄色。心材がやや桃色を帯び、長期間大気にさらされるとかなり色が濃くなることもある。
また、材の乾燥が遅れると変色菌により辺材部が青変することが多い。
肌目は精で、年輪はやや明らか。軽軟で加工しやすい反面、耐久性は低い。軸方向に樹脂道があるが、アカマツほどヤニが滲み出すことはない。


【生育地】


天然木は北海道、南千島、樺太、朝鮮、満州、沿海州、シベリア、アジア東北部の温帯上部から亜寒帯にわたって極めて広い。トドマツと混生していることが多く、エゾ・トド林を形成する。生長が遅いため、事業的な造林はほとんどされない。


【住まいでの用途】


北海道では、ちょうど本州のスギ・ヒノキに対応する材として建築用に広く使われる。本州でも一般住宅用柱などの構造用集成材や、長押・鴨居などの造作用集成材のラミナにも使用。またパーティクルボード、ファイバーボート、木毛といった木質材料にも利用される。

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