森の樹木図鑑

樹木についての知識がたっぷり。
身近な木や、住まいの地域にぴったりの木を探せます。

ベイマツ

マツ科

ベイマツは立木のとき枝下が長く、幹回りも太いので、大径で長い材がとれる有用な樹種です。アメリカ・カナダにかなりの蓄積量があって、両国の重要な輸出材となっています。世界中で活躍している材であり、日本でも北米材としてはベイツガと並んで輸入量のトップに挙げられます。マツ科の木ですが、さらに詳しく分類するとアカマツなどとは別のトガサワラ属に入るため、属性からいえばアメリカトガサワラと呼ぶべきでしょう。
また、別名のダグラスファーの「ファー」はモミの意味ですが、モミ類ではありません。




【材質】


年輪は明らか。心材と辺材の差は明瞭。
辺材は一般に黄白色~帯紅白色。心材は色にバラツキがあり、これによってイエローファー(心材が黄色~淡黄紅色で、年輪幅が狭く軽軟材)とレッドファー(心材が赤褐色で、年輪幅が広く重硬材)に分けられる。
また辺材の性質から、ロッキーマウンテンタイプ(辺材が狭く軽軟材)とパシフィックコーストタイプ(辺材が広く重硬材)に分ける方法もある。材質の幅が広いが、一般に木目はまっすぐで肌目は粗。材は重硬で加工性は中庸。同属のトガサワラと比べるとはるかに強度がある。耐朽性・保存性は高い。樹脂道をもつため、十分乾燥させないとヤニが表面に滲み出てくる。


【生育地】


北米大陸の太平洋沿岸地域。カナダのブリティッシュコロンビア州から、アメリカのカリフォルニア州まで生育。


【住まいでの用途】


日本の国産材では大径・長尺の材が得にくいため、ベイマツは梁などの構造材に好んで使われる。また、合板になるとツーバイフォー住宅での需要が多い。
最近では集成材としても使われる。

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