森の図書室

森について、木について、
知ってほしいことが、たくさんあります。

森と環境

森がなくなると、なぜ洪水(こうずい)がおこるの

森には、水をたくわえておくはたらきがあります。森がなくなると、川の水が一気に増(ふ)えてしまうのです。

森に雨がふると、雨水はどうなるでしょう。木の葉や草にたまった雨水は、そのまま蒸発(じょうはつ)します。土に落ちた雨水は、地中にしみこんでいきます。森の土の中には、植物の根と土の間のすき間や、小さな動物の通り道、くさった根がつくったトンネルなど、大小さまざまなすき間があります。すき間にしみこんだ雨水は、森の木や草に、根からすい上げられていきます。

しかし全部がすい上げられるわけではありません。しみこんだ雨水の多くは、ゆっくり時間をかけて、さらに下へ下へとおりていき、地下水となります。地下水はやがて清水となって川に流れこみます。

つまり、森は一時的に水をためこむ、「天然のダム」のはたらきをしているのです。

だから、森がなくなると、雨がふったときに川に流れこむ水の量が増えます。大雨のときは、土があらい流されて、ふった雨が一気に川に流れこむこともあるでしょう。その結果、川の水があふれ、洪水(こうずい)が起こりやすくなるのです。

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