森の図書室

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森と歴史

おもしろい名前の木と、その由来。

世界にはおもしろい名前の木があります。

例えば「タビビトノキ」。英語でも「Traveler's Palm(旅人のヤシ)」といわれています。樹高は10mにもなり、一見ヤシのように見えるこの木はマダガスカル島が原産で、日本でも公園や植物園、幼樹は観葉植物として親しまれています。

では、なぜこのような名前で呼ばれるようになったのでしょうか。いくつか説がありますが、2つの説が有名です。

1つめの説は、東西に大きく葉を広げた姿が羅針盤の役割を果たし、旅人を助けていたという説。この説が正しいかどうかは定かではありませんが、大きな2枚の葉を持つ背の高い木は、きっと旅人の目に留まったことでしょう。

2つめの説は、葉に蓄えられた水が旅人の喉を潤したという言い伝えから。マダカスカル島をはじめ、亜熱帯や熱帯の暑く乾燥の強い地域でも育つため、旅人にとっては貴重な水分補給源だったのかもしれません。どちらにしても、旅人に深く関係していたことは確かなようです。

そして「ナンジャモンジャノキ」。日本での自生地は岐阜県木曽川流域、愛知県の一部、長崎県対馬と狭く、対馬の約3000本の群生は天然記念物に指定されています。

このように希少な種のため、昔はこの木を見たことのない人が多く、「何の木じゃ?」などと呼ばれているうちに「なんじゃもんじゃ」になったといわれています。また、植物学者の間で「ナンジャ」「モンジャ」と議論されたから、という説もあります。

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