森の図書室
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森と歴史
郵送できる「はがきの木」
「はがきの木」って何?と思われた方もいるかもしれません。はがきを漢字で表すと「葉書」になりますが、それはモチノキ科の常緑広葉樹「タラヨウ(多羅葉)」のことを指しています。
タラヨウの葉は、楕円形で長さが15〜20cmほどと大きくて肉厚、表面はツヤツヤと光沢があります。裏面も滑らかで、尖ったもので字や絵を描くと、やがて茶色っぽく浮かび上がります。乾燥しても字や絵はそのまま残って読み取ることができので、「ジカキバ」「ジカキシバ」「エカキシバ」などの別名があり、戦国時代には通信に使われたともいわれています。まさしく、はがきのように使えることから「はがきの木」ともよばれるようになりました。
実際に宛先を明記し定型外の切手を貼れば郵送することも可能です。平成9年には当時の郵政省(現・日本郵政公社)が環境保全や防災に役立つ緑化を推進するためにタラヨウを「郵便局の木」として定め、全国各地の郵便局に植栽を奨励しました。案内板をつけて由来を説明しているところもあるようです。お住まい近くの郵便局にもタラヨウが植えられているかもしれません。ぜひ探してみてくださいね。