森の図書室
森について、木について、
知ってほしいことが、たくさんあります。
誰かに話したくなる小ネタ
その名は「セルロースナノファイバー」。
森林大国・日本が開発した、木からつくる新素材だよ。「セルロースナノファイバー」をかんたんに説明すると、植物に含まれる繊維(髪の毛の数万分の1の細さ)を薬品を使って密度を高めることで、強さは鋼鉄の約5倍!重さは約1/5!さらにリサイクルが可能なすごい素材なんだ。
例えば「セルロースナノファイバー」を車のボディに使えば強さが増して安全性が高まる。さらに、車体の軽量化によって燃費がよくなり、地球温暖化の原因とされるCO2の排出を減らすことができる。このように事業の発展と環境保護を両立できることから、SDGs(持続可能な開発目標)の実現につながる素材としてさまざまな企業が注目しているんだ。
住友林業では、社員がつけるワッペンの表面は社有林(高知県)のヒノキ、裏面の補強材に「セルロースナノファイバー」を使っているよ。木を事業にする会社らしい脱プラスチックなワッペンだよ。
「セルロースナノファイバー」が普及すれば、国産材の積極活用につながり、日本の森を守る林業も活性化するんだ。
人と自然を豊かにしていくことができる、期待の新素材だね!
参考図書:「工業材料2020年8月号」 日刊工業新聞社