森の図書室
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森と暮らし
住まいにまつわる言葉のはなし
住まいにまつわる言葉の意味や成り立ちを探っていると、日本の歴史や風土、地理の特徴や文化的背景が見えてきます。
例えば「屋根」です。屋根は家の上にあるものなのに、なぜ「根」という字がつくのでしょうか。
それは、住まいの歴史は竪穴式(たてあなしき)住居から始まり、屋根の下の部分が地面についていたことから「根」の字があてられるようになったそうです。「屋」の字も元は「矢」の字であったといわれています。先のとがった屋根と矢の形は確かに似ていますね。
次に「窓」です。日本の建築物は柱と柱の間の空間に窓を作るため、柱の間に作られた戸という意味で「間戸」と書いていました。
そして最後は、最近ではあまり見かけなくなった「うだつ」です。うだつとは、軒を連ね、屋根を共有している町家建築で、連なった家と家の境目にあたる部分に立ち上がっている壁のことです。
主に関西地方に多く見られ、もとは延焼を防ぐ防火目的としての役割を担っていましたが、後にうだつを装飾するようになり、うだつの豪華さがその家の財力を示すようになりました。
ちなみに、出世せず先の見込みがない状態を指して、「うだつがあがらない」と言いますが、その語源のひとつとも考えられています。