森の図書室
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森と暮らし
クリスマスツリーは、なぜモミの木?
クリスマスシーズンに入ると、あちこちでイルミネーションを施したクリスマスツリーが飾られます。そのクリスマスツリーとして代表的な木が、濃いグリーンの葉が美しい常緑針葉樹(じょうりょくしんようじゅ)の「樅(モミ)」。マツ科モミ属で、名前の由来にはいくつか説があり、局所的に生育し、たくさんのモミが風に揺れて揉み合う様子からだったり、モミの新芽の萌黄色(もえぎいろ)が美しいことから由来します。
ところで、なぜクリスマスにモミの木を飾るのでしょうか。さまざまな説がありますが、代表的な説は、木が生命を表現する象徴として古来から扱われ、なかでも冬の間も緑を保つ針葉樹に力強さや神秘性を見い出したからとされています。ツリーの先端にキラリと光る星を飾りますが、これはキリストの降誕を知らせたベツレヘムの星にちなんでいるといわれています。
欧米でクリスマスツリーを飾る習慣が定着したのは19世紀中頃からで、日本へも19世紀末頃に入って来たそうです。1860年(明治13年)にプロイセンの使節オイレンブルクが公館に初めて飾ったという記録があるほか、1986年(明治19年)12月7日に横浜で外国人船員のためにクリスマスツリーを飾ったようです。