森の図書室
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森と暮らし
薪(まき)ができるまで。
ストーブや暖炉の燃料として使われる「薪」。薪を使ったストーブや暖炉は、木の香りやユラユラと揺れる炎、パチパチという音を聞いていると身も心もあたたまるため、今も暖房器具として根強い人気があるようです。カシ、クヌギ、ナラ、ケヤキなどの広葉樹は、ゆっくりと燃えて火持ちが良く、薪として使用するのにはぴったりの木材です。
一方で、スギやアカマツなどの針葉樹は着火が容易であるものの、燃え尽きるのが早く、さらにヤニ成分が多いため燃やし方によっては、ストーブや煙突の故障の原因になるともいわれています。木材が薪になるまでには、実は意外と長い月日が必要です。
伐採直後の木材は水分を多く含んでいるため、十分に乾燥させなければ薪としての機能を果たしません。薪にするためには、まず木材を「玉切り」と呼ばれる、適度な長さに切り分ける作業を行い、その後「薪割り」によって木質部を露出させて水分が蒸発しやすくします。
さらにそれらを1〜2年かけて風を当てながら乾燥させることで水分量が20%以下となり、ようやく燃料に適した薪として使えるようになるのです。
薪となる木は育つ段階で二酸化炭素を吸収し、薪となった後は燃焼して二酸化炭素を排出します。地球温暖化が世界的な課題となる中で、このように二酸化炭素の量の吸収と排出に差が無いことは「カーボンニュートラル」といわれています。