森の図書室
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森の秘密
さし木の木を水にひたしておくとなぜ根が出るの
植物のくきや枝(えだ)を切り取り、これを土などにさして育てることを、さし木といいます。植物は、からだの一部分から植物全体をつくり出す力をもっています。さし木は、この力を利用しています。動物はふつうこのような力をもっていません。切れたトカゲのしっぽから、トカゲのからだ全体ができたり、ぬけた人のかみの毛から、人のからだ全体ができ上がったりすることはありません。
なかには、原始的な動物のプラナリアなど、ちぎれた体の一部から体全体ができる動物もいますが、多くの動物では見られるようなものではありません。
さし木はふつう、木の枝を地面や植木ばちの中の土にさします。しかし必ずしも土にさす必要はありません。土にさすのは、その後植物がしっかり根をはれるようにするためです。土がなくても、水にひたしておくだけで、切り口から根が出て、水をすい上げ始めるのです。
さし木のほか、植物を増(ふ)やす方法に、葉をさす「葉さし」、葉のついたくきの先をさす「さし芽」、枝を土にうめ、根を出してから切り分ける「取り木」などがあります。こうしたことができるのも、植物が、体の一部分から植物全体をつくり出す力をもっているからです。
フッキソウやハクチョウゲなどは、さし木で増やしやすい木のひとつです。