森の図書室

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森と環境

熱帯林は、どうして急に減(へ)っているの

おもに、農地をつくるために森林を切り開いています。

地球の人口は増(ふ)え続け、2011年には70億人をこえました。1800年の人口が約10億人だったことを思うと、たいへんな増え方であることに気づくでしょう。特に熱帯林がある発展途上国(はってんとじょうこく)では、増え方の勢(いきお)いは止まりません。

人口が増えると、食べ物が必要になるので、発展途上国の人びとは農地を手に入れなくてはなりません。そこで新しい畑をつくるために森を切り開きます。

森に火をつけて焼いて、あとにできた灰(はい)を肥料(ひりょう)として使う、「焼畑」がさかんに行われています。そして、数年して土地がやせてくると、また別の森を焼きはらって新しい畑にするのです。森林はやがて再生(さいせい)するので、畑などの農地があまり広くなければ、森林と交代でやっていくこともできます。でも人口が増えているため、農地がいつも不足していて、再生する森林よりも、焼かれる森林の方が多いのです。

また、先進国へ農産物を売って、お金を得るために森林を切り開く場合も多いのです。先進国に肉を輸出(ゆしゅつ)するために、森を焼きはらって牧場をつくり、牛を育てます。牧場のほか、大豆やトウモロコシ、ゴム、果実の農園もつくられています。そこでつくられる商品のほとんどが、先進国で使われるものです。

先進国の多くは、木材をたくさん必要とするので、そういった国に木材をきって輸出することも多く行われています。

このように、発展途上国の人たちが生きていくため、そして先進国の食料や木材のため、熱帯林はどんどんとたおされているのです。植林されないかぎり、熱帯林は減(へ)り続けてしまいます。

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