森の図書室
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森と歴史
金のなる木
「金のなる木」というと、働いたり努力しなくても利益や金銭をもたらす財源のたとえとして使われますが、実際に「金のなる木」という名前の木があります。
今回は2つの「金のなる木」をご紹介しましょう。
1つ目は、「クラッスラ・ポルツラケア」。英語では「dollar plant(お金の植物)」と呼ばれていますが、これは丸い葉が硬貨に似ていることが由来となったそうです。
ただ、日本でこの木が「金のなる木」と呼ばれるようになったのには、また別の理由があります。日本にクラッスラ・ポルツラケアが初めて伝わったのは昭和初期のこと。当時、栽培業者が若葉の先に5円硬貨の穴を通して、そのまま成長させました。お金がなっているように見える姿で、縁起物としての販売を行なったため、「金のなる木」「成金草」という俗称で呼ばれることが多くなったのです。
2つ目の「金のなる木」は、アブラナ科の「ルナリア」。丸く平たいさやの中に実ができるところが、小銭の入った財布のように見えるため、「金のなる木」という名前が付いたといわれています。また、ドライフラワーにして揺らしてみるとシャカシャカと金属のような音がします。