森の図書室

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森と歴史

スポーツ競技勝者の証、木の冠。

スポーツ競技の勝者に、葉のついた枝で編んだ冠を贈る習慣は、世界各地にあり、マラソンなどの優勝者がかぶっているのをテレビなどで見たことがあると思います。では、この冠は何の木の枝でできているのか知っていますか。

冠の名前「月桂冠」から、「月桂樹(ゲッケイジュ)」を思い浮かべた方が多いことでしょう。実は、これは「オリーブ」で作られた冠なのです。なぜオリーブなのか、その理由は古代ギリシャの信仰の一つとして開かれていた祭典にたどることができます。

太陽神アポロンを称える音楽・演劇競技の「ピューティア大祭」と、ギリシャ神話の神々の王であるゼウスに捧げられたスポーツ競技の「オリンピュア大祭」。

いずれの大祭でも勝者に贈られていたのが、葉のついた枝で作った冠。ピューティア大祭ではアポロンの聖木とされた「月桂樹」の冠が、一方のオリンピュア大祭では「液体の黄金」とされるオリーブオイルを生み出す木こそ、最高の栄誉を表すとして、その枝を使った冠が贈られたそう。月桂冠とオリーブの冠が混同しやすい理由はここにあったのですね。

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