森の図書室
森について、木について、
知ってほしいことが、たくさんあります。
森と暮らし
葉っぱの意外な使い道。
桜餅や柏餅、チマキを食べると、独特な葉っぱの香りがフワッと口に広がりますよね。「ああ春がきたなぁ」「夏ももうすぐだなぁ」なんて季節を感じて幸せな気持ちになりますが、葉っぱを使うもともとの理由は、香りづけのためだけではありません。木の葉によってはカビを生えにくくしたり、腐りにくくする働きがあるのです。あのいい香りのもとも、抗菌効果のある物質です。お寿司屋さんのガラスケースやマツタケの箱の中に、サワラやヒノキ、ヒバの葉が敷いてあるのを見たことはありませんか?あれも魚やキノコが腐らないようにという昔の人の知恵からきています。防腐効果は樹液(じゅえき)にもあります。古代エジプトでは、カンラン科の木から樹脂を採って香料をつくり、それを固めたものを防腐剤として死体に詰めて、ミイラをつくっていました。日本語の「ミイラ」という名前も、この香料「ミルラ(没薬)」に由来してという説があります。