森の図書室

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にっこり
日本の木

土佐和紙(とさわし)

植物のちからが、上質の和紙をつくる。

土佐和紙は、高知県の伝統工芸品だよ。

筆の墨をよく吸うから、とても書きやすいんだって。
原料のひとつが、楮(こうぞ)の木の皮。
繊維が長くて太いから、薄いのに丈夫な紙に仕上がるよ。

その楮の繊維をまとめるのが、
黄蜀葵(とろろあおい)という植物の樹液。
糊(のり)のような役目をするんだ。

和紙は寒い時期に漉く(すく)のがいいと言われているんだ。

寒いときは、糊の役目をする黄蜀葵の粘りが強くて、
繊維がよくからまるから、目の細かい上質な和紙になるんだって。

むかしのヒトは、木と季節の関係をよく知っていたんだね。

土佐和紙に使われている、楮(こうぞ)の木の皮。

冷たい水に耐えながら、土佐和紙はつくられているんだ。