森の図書室

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にっこり
日本の木

樺細工(かばざいく)

武士がつくりはじめた樺細工。

樺細工は、山桜(やまざくら)の樹皮を薄くけずって装飾する、秋田県の伝統工芸品。
厳しい環境で育つ山桜は、少しずつ成長して、厚くて丈夫な樹皮になるんだ。
山桜の樹皮は防湿性にすぐれているから、薬草の保管する印籠(いんろう)や、お茶の葉を保管する茶筒などがつくられてきたんだ。
江戸時代、寒さが厳しく農作物の凶作が続いたときに、
武士が内職としてつくりはじめたのが樺細工のはじまりなんだって。

すべてが、世界で一つだけのもの。

その自然のままの樹皮を使っている樺細工は、
模様や色合いが一つひとつ違うから、すべて“世界で一つだけのもの”だよ。最近では、今の暮らしに合わせてパスタを保管するための樺細工もつくられているらしい。
伝統工芸品も、時代に合わせた新しい姿が生まれているんだね。

写真を比べてみて。山桜の樹皮を自然のまま使っているから、模様や色合いが一つひとつ違うんだ。