森の図書室

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にっこり
日本の木

大内塗(おおうちぬり)

京都の漆塗りが西の京・山口で発展。

漆の深い色合いが美しい大内塗は、山口県山口市に伝わる伝統工芸品。室町時代に山口を治めていた大内氏が、京都の文化を吸収するために学者や芸術家を招いたんだ。その中に漆塗りの職人がいて、漆塗りの技術を使って漆器をつくりはじめたのが始まりなんだって。当時は、朝鮮半島や中国に輸出されて財政を支えていたんだ。

進化を続ける大内塗。

大内塗で代表的なものが、お雛様などの大内人形。着物を表現するために数多くの色を使うけれど、乾くまで重ね塗りができないので作業できるのは1日1色だけ。だから、下地から絵付けまで、完成まで数年かかるものもあるんだ。
最近では、同じ山口県の萩焼(はぎやき)に大内塗の技術を融合させた山口陶漆器(やまぐちとうしっき)という新しい時代の伝統工芸品も生まれているよ。

大内塗の雛人形「大内人形」。

「山口陶漆器」萩焼の貫入(ひび割れ)に
大内塗の漆を塗り込み、
陶器と漆器の良さをあわせ持つ。