森の図書室

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にっこり
日本の木

大阪金剛簾(おおさかこんごうすだれ)

目かくしから、日よけの役割へ。

大阪の金剛山(こんごうさん)のふもとで発展した伝統工芸品が、大阪金剛簾。江戸時代、武士に竹細工の技術が伝えられて、簾(すだれ)づくりがはじまったんだって。今では夏の日差しをさえぎる日よけとして使われている簾だけど、もともとは大名や貴族が移動するための「駕籠(かご)」の目かくしとして使われていたんだ。

竹の間を通ると、風が涼しくなる。

大阪金剛簾の素材は真竹(まだけ)。竹の節と表面の皮をていねいに削り、細く割って1?2ミリくらいの細い竹ひごにするんだ。真竹は繊維質が細いから、細い竹ひごにしてもねばりがあって折れにくいんだよ。簾は風が細い竹の間を通ることで勢いを増して部屋に入っていくので、同じ風でもより涼しく感じられるんだ。扇風機やエアコンがなかった昔の人々の知恵だね。

大名や貴族が移動するための「駕籠」。
簾は目かくしとして使われていたんだ。

通り抜ける風が簾を揺らす。
“風を目で感じる”ことで涼しさが増すんだ。