森の図書室
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にっこり
日本の木
南木曽ろくろ細工(なぎそろくろざいく)
同じ木でも同じ木目があらわれない。
「南木曽ろくろ細工」は、長野県の南木曽町(なぎそまち)の伝統工芸品。
ろくろ挽き(ろくろびき)という木をまわしながら食器の形に削っていく技法でつくるんだよ。その歴史は約300年。雨量が豊富で、夏冬の温度差が大きく、木目が緻密な木が育つ木曽の町に職人たちが移住し、食器をつくったのがはじまり。トチやケヤキなどの広葉樹を板状に伐って、木が生える方向に対してヨコから型をとる横木取り(よこきとり)という技法を使うことで、同じ木でも同じ木目があらわれず、食器ごとに個性が生まれるんだ。
木目が浮かびあがる伝統の技法。
漆を薄く塗る拭き漆(ふきうるし)という技法で、木目に漆が染み込み木目が浮かびあがるんだ。漆を薄く塗り、乾燥させ、また漆を薄く塗る。それを6回繰り返し、さらに何度も磨き上げることで「南木曽ろくろ細工」 ならではの美しい木目と光沢が生まれる。小さな食器の中に、職人の知恵と技がつまっているんだ。